第1話 「青色特急」

いつもとかわらない星屑をちりばめた空には汽笛を鳴らす午後6時発の青色特急が走っていた。ほぼ毎日のように訪れる馴染みの草原に寝転がり数時間、この列車を見送ってから帰宅することがエマの日課になっている。整列した星屑の線路の上をキラキラと光の道筋をのこして去る列車を見送ると、徐に上着の右のポケットから古び…